売上が増えたのにお金が残らない会社が見直すべき5つのこと
「前年よりも売上が伸びたのに、預金残高が増えていない」「受注が増えて現場は忙しいのに、支払日になると資金繰りがギリギリになる」。高松市や香川県内の建設業・製造業・卸売業などの経営者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
売上が伸びている時期は、資金ショート(黒字倒産)が起きやすい時期でもあります。売上が増えたのにお金が残らない場合に、税理士の視点から確認したい5つのポイントを解説します。
見直すこと1.入金と支払いのサイト
売上が増えると、仕入、外注費、人件費などの支払いも前倒しで増えます。支払いは当月〜翌月に出ていき、入金は納品や工事完了の2〜3か月後、ということがあります。
売上が1,000万円から2,000万円に倍増すれば、先に支払う仕入や人件費も増え、売掛金が回収されるまでの立替資金(増加運転資金)が必要になります。
見直すポイント:取引先ごとに、回収サイトの短縮(例:翌々月末の回収を翌月末に)や、仕入先への支払サイトの調整ができないか確認します。
見直すこと2.在庫・仕掛品
品切れを防ぎたい、次の現場の材料を確保したいと、仕入が増えがちです。購入した時点で現金は出ていきますが、売れるまで(工事が完成するまで)は経費(原価)になりません。過剰な在庫や、長期化した未完成の案件が多いと、現金が在庫の形で固定されます。
見直すポイント:動きのない材料や商品がないか確認し、適正な在庫量のルールを作ります。
見直すこと3.固定費・人件費の増加
現金が回収される前に、採用、事務所や車両の拡張、不要な節税目的の購入をしていないでしょうか。固定費は、一度増やすと、売上が下がっても簡単には減らせません。
見直すポイント:投資で増える手元の現金が、固定費の増加額を上回るか、事前にシミュレーションします。
見直すこと4.借入金の元本返済
決算書上の利益と、手元のお金の増減がずれる大きな要因が、借入金の元本返済です。利息は経費になりますが、元本の返済は経費にならず、手元の現金だけが減ります。
利益が500万円出ても、年間の元本返済が700万円なら、手元の現金は年間で200万円減ります。
見直すポイント:「当期純利益+減価償却費」が、年間の元本返済額を上回っているか確認します。返済の負担が重い場合は、金融機関へ、借換えや返済期間の見直しを相談する方法もあります。
見直すこと5.未来の資金繰り予測を持つ
2〜3か月前の出来事をまとめた試算表だけでは、これから来る支払いのピークは分かりません。13週間(週次)の資金繰り表や、12か月の資金繰り予定表を作成し、売上の回収と支払いのタイムラグを踏まえて、先の預金残高の推移が見えるようにします。
よくある質問
Q1.売上が伸びている時の資金不足は、銀行から借りやすいですか?
状況によります。売上の拡大に伴う増加運転資金は、受注書や発注書、資金繰り予定表などで、必要な理由を説明しやすい資金使途です。ただし、融資の可否や条件は、金融機関の判断によります。
Q2.節税のために、倒産防止共済や高額な設備を買うのは逆効果ですか?
手元資金に余裕がない状態での無理な節税は、資金繰りを悪化させるおそれがあります。税金が数十万円減っても、手元からは数百万円の現金が出ていきます。売上が急に増えた時期は、節税よりも、手元の現預金を厚くすることを優先する判断も大切です。
当事務所の資金繰りサポート
国税局で法人調査を担当した経験を活かし、売上拡大期の中小企業が資金繰りに行き詰まらないよう、財務面を支えています。経営支援(月額+20,000円、税別)では、次のことを行います。
- 入出金のサイクル、在庫、借入返済を踏まえた、必要な運転資金の算出
- 資金繰り表(13週間・12か月)の作成
- 融資の必要書類・事業計画書の作成と、金融機関への同行
高松市・三木町・さぬき市を中心に、香川県内の事業者の方の資金繰りをサポートしています。手元の現金が少なくなって焦る前に、お気軽にご相談ください。